少数派影響過程 minority influence behavior
社会が閉じた系ならば、そこに発生する意見・価値観の正否はシステム内部の論理だけで決められます。規範に反する少数派の考えは否定され、多数派に吸収される。これが機能主義モデルです。それに対し発生モデルは開かれた系として社会を捉えます。システムの論理だけでは正否を決定されない攪乱要素がシステム内に必ず発生する。攪乱要因は社会の既存規範に吸収されず、社会の構造を変革してゆく。これがモスコヴィッシ理論の哲学です。
逸脱する少数派が肯定的価値を付与されて、受け容れられるか、あるいは否定的烙印を押され、拒否されるかは、その主張内容からは決まらない。何が正しいかは結果論です。社会の支配的価値に対して逸脱者・少数派が反旗を翻す。安定した環境に楔を打ち込み、システムを不安定な状態にする。少数派と多数派との間に繰り広げられる対立から次なる安定状態が生まれ、社会は変遷する。社会を開かれたシステムとして理解するとは、こういう意味です。
少数派が受け入れられる条件
多数派と共通点がある
多数派が革新を求めている
元も子もない気がする